赤坂見附乗り換え
新宿御苑で服を着替えて、丸の内線の赤坂見附を下車し、永田町駅に乗り換え、神保町へ向かう。
まるで迷路のような東京メトロの地下道。
私は慣れない黒のパンプスで階段を登り下り。
最後の大きな下って上るポイント、ふと前を見ると、ありゃ、
え、え、え、エスカレータが無い!
工事中。即興で作ったかのようなウォールマリアのような壁でふさがれており、工事のおっさんが立って、通行整理をしている。
急いでいるのに・・・脚痛いし
完全にキレ気味に、おっさんにガン飛ばしながら、狭くなった階段を急いで、適当に、下りようとした時。
「おねえさん、右側通行でお願いします。」
おっさん、いや、おじさまの声。
はっと立ち止まって、オジサマを見る。
おじさま、じっと、私を見て、あれ、聞こえなかったのかと思ったのか、
「おねえさん、おねえさん。すみませーん。右側、こちらを降りてください」
そう言って、手でこっちこっちと指さす。
もう一度、言って。。。おねえさんと。おねえさんと言うのよ、いや、おねえさんよ、私。
私はおじさまの手招きに従い、それはもう素直に、ええ、SMのM奴隷のように従順に、階段の右へ寄る。
そのわたしの動作、いや、所業、いや、振る舞いを見て、
「ありがとうございます」
とおじさんの声。さわやかなナイスミドルな低音。
私は、にっこりおじさんに向かって微笑んでしまいましたわ。
その後、おじさまの視線を意識して、腕の肘を内側に曲げつつ、可愛く、内股に階段をシナシナと降りましたとさ。
おかげさまで、完全に遅刻。
だれか、こんな私をグレッチでぶって〜。